イヌビエ(犬稗)

イネ科 ヒエ属
Echinochloa crus-galli

水田や放棄水田、路傍、荒れ地等に生える一年草。稈は束生し、直立、斜上して高さ80〜120cmになる。 葉は線形、無毛、長さ30〜50cm、幅1〜2cm、辺縁は僅かに硬化する。葉鞘は無毛、時に疎らに毛があり、葉舌は無毛。
円錐花序は長さ10〜25cm、上方では密に、下方では疎らに分枝し、枝上には短柄のある小穂が花軸の下側に密生する。
小穂は長さ3〜4mmで卵形、時に長い芒をもつものもあり、脈上に刺毛がある。第一包穎は長さ小穂の1/3内外、第二包穎は 小穂とほぼ同長で短芒があり、小花の護穎は小穂の平らな面を覆い、中央脈は普通数mmの芒があり、第二小花の護穎は長さ3〜3.5mm。 葯は長さ1mm。
分布は日本全土、世界の暖温帯から熱帯に広く分布する。開花は7〜11月。

大宜味村 2015.11.9

(左)葉鞘は無毛、時に疎らに毛がある。(中)葉舌は無毛。(右)葉の辺縁はざらつき、わずか硬化する。
大宜味村 2015.11.9

第一包穎は小穂の長さの1/3、第二包穎は小穂と同長で僅かに芒があり、
第一小花の護穎には数mmの芒がある。 小花の内穎は膜質で半透明。果実は楕円形で長さ2.5mm程度。
大宜味村 2015.11.9

===収穫後の水田に生える。ここのは赤紫色を帯びたものが多かった===
国頭村 2024.8.20

葉の幅は0.7〜1.0cm、葉舌はなく、葉の辺縁はわずかにざらつく。
国頭村 2004.8.20

(左)花軸の上側 (中)花軸の下側に小穂が密生する。(右)開花中、雄しべの葯、雌しべの柱頭がみられる。
国頭村 2024.8.20

小穂の長さは2.5〜2.6mm。第一包穎は小穂の長さの1/2弱あったが第一小花の護穎の芒は無かった。葯は0.8mm。
国頭村 2024.8.20

イヌビエは個体差が多くあるので、2番目の大宜味村の物はよく似る別な種かも知れないが、
一応ここに掲載し、 又別な場所のものも観察してみるつもりです。
沖縄ではこの仲間は他にケイヌビエ、ヒメイヌビエ、ヒメタイヌビエ、ワセビエがある。
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