ウエマツソウ(植松草)

ホンゴウソウ科 ウエマツソウ属
Sciaphila secundiflora

森林樹下の落ち葉の中に生える菌従属栄養植物。茎は単一又は数個に分岐し高さは5〜10cmで赤紫色をしている。 地下では白色で細長い根を多数持つ。葉は鱗片状で広卵形、先は尖り、長さ2〜3mm。
総状花序は長さ1〜4cm、上部で3〜9個の花をつけ、暗紫色、上部に雄花、下部に雌花がつく。
雄花の花被は深く6裂し、裂片は狭卵形で長さ約3mm。雄蕊は3個、花糸は短く基部は互いに合生する。
雌花も花被は6裂し、裂片は狭卵形で長さ2.5mm、子房は多数で球状、集合果となり、径3〜4mm、表面はざらつき、 花柱は短く1mm以内。果実期には子房は膨れ、中に1種子がある。種子は栗褐色長楕円形。
分布は本州(新潟、和歌山県以西)〜小笠原諸島、琉球(沖縄島、西表島) 開花は7〜9月。

当初沖縄の物は全てウエマツソウと思われていたが、2018年に神戸大学の末次氏により、草丈が本種より高く、花は疎らにつき、
雌しべの花柱が長いタイプをタナカソウとして区別する論文を発表されました。開花期も本種より4カ月ほど早いという違いもある。

大宜味村 2010.8.15

小さいので花を見分けるには拡大鏡が便利でした。上部にあるのが雄花。下部は雌花。
大宜味村 2010.8.15

大宜味村 2010.8.15

←雌花の花柱は短く1mm以内。

大宜味村(左・中) 2018.7.13  (右)2018.8.3

雄花の花被は深く6裂し、裂片は狭卵形で長さ約3mm。雄蕊は3個、花糸は短く基部は互いに合生する。
雌花の子房は多数で球状、集合果となり、径3〜4mm、表面はざらつき、 花柱は短く1mm以内。
大宜味村 (左)2018.7.13  (中・右)2018.7.19


果実期には子房は膨れ、色も薄くなってくる。雄花はこの時期は枯れていた。
大宜味村 2018.8.21 

大宜味村 2022.7.27 

8月は花も咲いているときもあるが、今年は大きな台風の後でもあり、結実した雌花が見られた。
大宜味村 2023.8.13 



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