オクマワラビ(雄熊蕨)

オシダ科 オシダ属
Dryopteris uniformis 

・山地の林床や山麓、林縁、路傍等に生える常緑性のシダ。根茎は太く短く、斜上、直立して葉を叢生する。
・葉柄は淡緑色、鱗片は披針形〜線状披針形、小突起縁、黒褐色が多く基部で密、、秋に出る葉は黄褐色もある。
・葉身は2回羽状深裂〜複生。卵形〜三角状卵形、長さ40〜60cm、幅15〜22cm、鋭尖頭、小羽片の葉脈はほぼ1回2叉分岐
・側羽片は長楕円状披針形〜長楕円状狭披針形、ほぼ無柄〜単柄。小羽片は長楕円形、軸に沿着、裂片は円頭〜鈍頭、深裂、波状縁〜浅い鋸歯縁。
・胞子嚢群は円形、葉身、羽片の頂点からつき、葉身の先端半分まで。包膜は円腎形。
・分布は本州、四国、九州。

下部羽片2〜3対はやや短くなり、中部羽片あたりが幅が広い。
高尾山 2013.5.16

岩のごろごろした登山道に生える。
高尾山 2013.5.16

(左)胞子嚢群は葉身、羽片の頂点からつき、葉身の半分程度に限られている。(左右) 側羽片はほぼ無柄〜単柄。胞子嚢群がつく葉とつかない葉に大きさではあまり差がない。小羽片は長楕円形、軸に沿着、裂片は円頭〜鈍頭、波状縁〜浅い鋸歯縁。
(右)葉軸、羽軸の背軸面でやや密に披針形、線状披針形の鱗片をつける(葉軸のものは黒褐色、羽軸のものは黄褐色)
高尾山 2013.5.16

鱗片は披針形〜線状披針形、小突起縁、
黒褐色が多く基部で密、、秋に出る葉は黄褐色もある。

(左右)高尾山 2013.5.16


胞子嚢群は葉身、羽片の頂点からつき、葉身の半分程度。
クマワビに似るが、胞子が付いた葉が小さくなる事はない。包膜は円腎形。

(左右)愛媛県 2023.5.8


============= 宮城県のものその1 =============

宮城県では同じ山でややタイプの違う株をみました。こちらはオクマワラビで良いと思っています。
胞子嚢群は葉身、羽片の頂点からつき、葉身の半分程度についていました。
宮城県 2017.6.27

側羽片には単柄がみられ、縁は深裂。胞子葉(上部)の鱗片は線形で褐色。栄養葉(下部)の鱗片は黒褐色。
宮城県 2017.6.27

(左)裂片は円頭〜鈍頭、辺縁は浅鋸歯縁。(中)葉柄基部の鱗片はライトで光ってみえますが黒褐色。(右)葉柄上部の鱗片は黒褐色。
宮城県 2017.6.27

============= 宮城県のものその2 =============

最下羽片は下から2番目位までやや小さい。胞子嚢群は葉身の上から1/3の所までについていました。
宮城県 2017.6.27

(左)小羽片は長楕円形で上のものに比べると先はやや尖っています。(中、右)葉軸の鱗片はその1と同じ。
(右)胞子嚢群をつける葉は下部の栄養葉に比べて小さくなっていて、裂片はやや鋭頭。上部の裂片は全裂のものも見られ、葉脈はやや窪む程度。
宮城県 2017.6.27

葉柄基部、上部の鱗片は濃褐色の物と淡褐色の物が混ざっている。
宮城県 2017.6.27

宮城県のその2の株はクマワラビの形態も混ざっている様にみられ、オクマワラビとクマワラビの雑種でアイノコクマワラビの
可能性がありそうです。胞子が不定形なら雑種で決まりだと思いますが、見ていないので暫くここに置いておきます。
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