イヌビワ (犬枇杷)

クワ科 イチジク属
Ficus erecta Thunb

海岸近くの林から山裾にかけてみられる落葉性の低木。高さは2〜4m。
葉は薄く卵状楕円形で 先は尖り基部はややまるく、長さ8〜20cm、幅3.5〜8cm、両面は無毛。枝や葉柄を折ると乳状の液を出す。 秋から冬にかけて葉は黄色くなる。
葉腋に1個の花嚢をつける。雌雄異株で、雄と雌の花嚢は同形で球形又は広楕円状球形、径8〜10mm。
雄花嚢には雄花と虫えい花が混在し、雌花は緑の果嚢の中で雌花を咲かせ、イヌビワコバチ類が中に入り受粉する。
果嚢は熟すると径2cmで黒紫色になる。沖縄の物は径3cm程度の大きな物が見られる。
分布は関東地方〜先島諸島。変種ケイヌビワは若枝、葉柄、葉の両面、果嚢に短い軟毛がある。

国頭村 2020.6.29

国頭村 2020.6.29

沖縄の果嚢は3cm程度と大きい。
雌果嚢は赤紫色から黒熟する。名護市 11.11.6

(左)国頭村 2020.6.29 (右)イヌビワとサツマサンキライ国頭村 2013.1.12

国頭村 2019.6.11

メスのイヌビワコバチは脱出の際に花粉を運び、雌株の実(花嚢)の中に入り授粉を助け、実を熟させる。一方雄株の若い実(花嚢)に入ったイヌビワコバチはそこで産卵する。
国頭村 2012.3.8



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